声帯麻痺の新しい治療方法に関する研究 - 最新の研究活動

平均追跡期間は3ヶ月で、術後3-4ヶ月目に聴知覚的音声評価及びVHI、音声分析検査、声帯粘膜波動検査を行い、主観的な音声満足度を測定した。統計的有意性はANOVAにて検定した。
 
結果 : CaHAの治療を受けた声帯麻痺患者の平均年齢は、44歳(14-77)で、男女の比率は28:15だった。

声帯麻痺の原因としては、手術的原因58.8%、原因不明23.5%、事故5.9%、脳神経疾患4.9%、その他6.9%だった。術後に患者の聴知覚心理学的音声評価上の統計として、有意に好転しており、術後の主観的音声満足度は76%(33例)において非常に満足、12%(5例)において満足となり、12%(5例)においてやや不満となった。

音声分析検査上の空気力学的検査の有意な改善とともに、Jitter、Shimer、HNRにおいて有意な改善が現われた。声帯注入の容易性はCaHAが非常に優れ、声門閉鎖と声帯粘膜波動はPMMAより優秀であった。合併症の発症は観察されていない。
 
結論 : 新しい生体保形物であるCaHAは、声帯麻痺の治療であるtranscutaneous injection laryangoplastyに安全に利用することができ、音声改善と治療改善に非常に有用な声帯保形物質として用いることができると考えられる。