声帯短縮術/前癒合後進術(Vocal Folds Shortening and
Retrodisplacement of Anterior Commissure)は、音声女性化の中でも最
も安全かつ効果的な結果を得られる手術方法です。
従来、施行されていた音声女性化手術とは差別化された手術技法で
首の切開なしで口の中から内視鏡を通して声帯の粘膜と声帯固有層の1/3を
取り除いた後、永久的な糸を使用して縫合する方法です。
手術部位は3-5mmでとても小さいため喉頭喉頭器具を使用して
両側の声帯筋肉の前部分を縫合した後、結び目をつくります。
長年、動物実験を通じてキム・ヒョンテ院長が着目した手術方法で
熟練されたノウハウを持っています。
この手術方法は手術の結果を永久的に維持させる事が出来るよう永久的な
材料を使用して声帯を縫合した後、声帯を薄くします。
吸収される糸を使用する場合、時間が経つにつれ手術部位が緩んでしまう
事がありますが、永久的な糸を使用して縫合した場合長い間手術部位を
しっかり支え、声帯を短くてぴんと張った状態に維持させる事が出来
永久的で満足出来る結果を出すことができます。
まず、声帯前部の1/3の粘膜を剥がし後、声帯筋肉を縫合する方法で声帯の震動長さだけ短くし
声帯の前方である前癒合を後方に移動させ、自然な声帯振動が出来るようにさせる手術方法です。
この方法は喉頭に存在する約50個の筋肉に全く損傷を与えず声帯の長さを短くし、基本周波数を上げることが出来、自然な女性の声に変化する事が出来ます。
手術前
手術1年後
声帯短縮術及び前癒合後進術の手術後の結果として、性転換者の場合以下のテーブルで表れているように男性周波数(100hz-150hz)から
女性周波数(200hz-250hz)まで平均73.6hz以上の周波数を上昇させる事が明らかになりました。
Total group (Hz) (グループ全体) |
Transgender group (Hz) (性転換グループ) |
Androphonia group (Hz) (副腎発声障害グループ) |
|
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Pre-operation 手術前 | 144.1 | 134.6 | 153.5 |
Post-operation 3 手術3ヵ月後 | 194.8 | 190.3 | 199.4 |
Post-operation 6 手術6ヵ月後 | 207.4 | 208.2 | 206.5 |
喉仏除去の有無については、喉仏除去を受けなかったグループの結果がもっと良好で音の上昇が大きく表れた。
Adam’s apple shaving(+) 喉仏手術をされた場合 |
Adam’s apple shaving(-) 喉仏手術をされていない場合 |
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Pre-operation 手術前 | 138.9 | 130.2 |
Post-operation 手術後 | 206.2 | 210.1 |
Average pitch increase 平均周波数の上昇 | 67.3 | 79.9 |
92%の満足度を出している声帯短縮術及び前癒合後進術は、完全な女性周波数まで声が上昇するまで約6ヵ月から12ヵ月程かかります。
患者個人の声帯の状態や手術後の声帯及び声の管理によって結果が変わります。新しい声帯に完全に適応するまでは手術後約1年程所要されます。
新たな声帯に適応する為、音声リハビリ訓練が必要です。音声精密検査(CVE)により声帯の痙攣が確認されれば声帯の痙攣を抑え
声の上昇を円滑にさせる為、ボツリヌスクリニックなど持続的な治療が必要になる事があります。
声帯短縮術及び前癒合後進術は手術後すぐに結果が出る手術でない為、手術後も継続して女性の共鳴周波数の訓練が必要であり
新しくなった声帯の発声システムに適応して発声パターンを新しく変える事が音声女性化に向けて非常に重要な部分になります。
手術後特別な合併症はなく一時的なハスキーボイス、声帯の異物感、喉の痛み、痰、咳などがありますが
適切な薬物と時間の経過によって好転されます。
従って、音声整形手術で満足出来る結果を出す為には個人に合わせたそして、その人が
手術後出せる声の程度を予測して適切な手術法を選択しなければなりません。
また声の音質つまり、声の共鳴は音声治療と音声リハビリを行うと自ら咽頭腔の形を
変える事が出来るのでもっと自然な女性らしい声に変わる事が出来ます。
音声女性化手術で最も重要なことは手術経験が多く音声治療を施行している病院で手術を受ける事です。
声の整形の施術の経験が少なかったり、音声の治療やリハビリを行う事が出来ない病院で
施術を受けた場合声の改善は期待出来ません。
従い、音声女性化手術は手術経験が多い音声専門医に正確な診断を受けてから手術を進めないといけません。
声帯短縮術 | 輪状甲状軟骨接近術 | 甲状軟骨声帯縮小術 | |
---|---|---|---|
手術方法 | 声帯の前部分を縫 合して細く短くさせ、 女性の声帯の形に変える方法 |
高音を出す時輪状甲状筋が収縮して 輪状軟骨と甲状軟骨が接近し、 声帯は引っ張られ緊張 する原理を利用、 輪状軟骨と甲状軟 骨を前から引き寄 せ固定させる |
甲状軟骨の前部を 切開して除去した後、 声帯を切除する方法 |
皮膚切開 | なし | あり | あり |
出血 | なし | あり | あり |
麻酔 | 全身 | 全身 | 全身 |
音質 | 自然な声 | 裏声 | 高い裏声 |
歌 | 可能 | 不可能 | 部分的に可能 |
合併症 | 声帯の腫れほとんどなし | 炎症、音域が狭くなる 不自然な声の上昇 |
炎症、肉芽腫、過度 な音色の変化、不自然な声 |
注意事項 | 1ヶ月間は絶対に言うべきではありません。 1ヶ月間酒、タバコ禁止 |
いくら緊張を高めても声帯が太い為、 声を高くするには限界がある |
声帯が過度に切除された場合、 声の修復が不可能 |
イェソン音声センターは現在、声帯短縮術及び前癒合後進術を施行している病院の中で、最も多くの手術結果を保有しており、これは優秀な手術の結果と安定性を保障するものです。
イェソン音声センターは2013年6月5日、ソウルCOEXコンベンションで開催された第20回国際耳鼻咽喉科連盟、世界の学術大会
(The 20th World Congress of the International Federation of Oto-Rhino-Laryngological Societies;IFOS)で音声女性化手術について講演を行いました。
世界耳鼻咽喉科学会オリンピックと呼ばれるIFOSは125カ国5万人以上の会員を持つ耳鼻咽喉科分野最大の団体で4年ごとに学術大会を開催しています。
この学術大会でイェソン音声センターはアジアを代表して音声女性化の新しい手術法である'声帯短縮術及び前癒合後進術(VFSAAC)'に関する臨床結果を発表しました。
アメリカ、ドイツ、フランスなど世界的な権威者たちが出席した大会で、'声帯短縮術及び前癒合後進術(VFSAAC)'は
'従来の手術法と比較、評価できる最高の手術法'という好評を頂きました。
'声帯短縮術及び前癒合後進術'はイェソン音声センターのキム・ヒョンテ院長がカトリック医科大学教授として在職していた当時、副腎性器症候群のような
遺伝性疾患により声が男性化してしまった女性患者を治療する為、従来の方法を改善して考案した手術方法です。
既存の皮膚を切開して施行していた音声女性化手術とは異なり、内視鏡を通して声帯自体を女性の形に変更する手術法です。
皮膚を切開せず、喉頭と声帯組織の損傷がほとんどありません。手術後、自然な声の変化が特徴的です。
声の女性化手術の新しい手術法に関する12年間の研究結果をまとめた論文が耳鼻咽喉科学術誌で最高権威の“The Laryngoscope”に掲載されました。